剣道講座
其の十二
引き技とは

聡莉が見せた、鍔迫り合いからの引き面。鮮やかな一撃だが、このような引き技を放つポイントは一体どこにあるのだろう?
そもそも引き技とは、鍔(つば)迫り合いから後退しつつ打ち込むという流れの技を指す。相手の虚を突くため奇襲効果が高く、決まると何とも言えない爽快感があるのが特徴だ。聡莉は面を放ったが、相手が面を警戒して竹刀を上げた場合には胴を狙うとよい。
引き技を放つポイントは、相手との距離感を掴むことはもちろん、後退と竹刀の振りのタイミングにある。一見、“逃げる"と“攻める"という相反する要素の組み合わせに思えるが、この後退はあくまで攻撃への布石なので、“後ろに踏み込む"と捉えると理解しやすい。一つ一つの動きは難しいものではないので、練習すればきっと動作が一致するようになるはずだ。


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