剣道講座
其の十一
防具のメンテナンス(2)
何日も降りしきる雨のせいで湿気が溜まり、なんと小手にはカビが! こうした悲劇を回避するためには、どのような手入れをすればよいのだろう?
基本的には面と同じく、使用後に手ぬぐいなどで汗を十分に拭き取り、よく陰干しさせればOK。だが、小手は防具の中で最も汗を吸収するため、思わぬ落とし穴がある。それは、乾燥させにくいということだ。
面や胴も汗を吸収するが、面は正面、胴は背中が開いているため、汗は比較的蒸発しやすい。だが、小手は密閉されているので乾燥しにくく、その間に汗の臭いが凝縮・熟成し、強烈な“臭い"を放つようになる。似たような例としては、野球のグローブが挙げられるだろうか。
この臭いを無くすには、劇中同様に消臭剤を使うと楽。しかし、臭いの元を断つわけではないため、根本的な解決を求めるのであれば、水でジャブジャブ洗うとよい。洗い始めると恐ろしいほどに真っ黒な水が出てくるので驚くはずだ。また、臭いが付く前に予防するという術もある。それは、素早く乾燥させることだ。小手専用のドライヤーさえ使えば、容易に急速乾燥させることができるので、懐に余裕のある人は用意してもいいかもしれない。
また、小手は剣道具の中で最も傷み易いので、余裕があるならば2組用意して交互に使いたいところ。ただ、それはあくまで理想なので、こまめに点検すれば問題ないだろう。
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